モミジと苔

ベランダで愉しむ作り方と育て方

街道をゆく4・冬苔

街道をゆく4』には「冬苔」(ふゆごけ)

という言葉がでてきます。

 

「堺・紀州街道 氷雨の中の五輪塔

冬の冷たい雨が降る中

南宗寺を訪れた司馬さん。

 

「南宗寺は周知のように臨済禅の名刹で、

堺第一等の大寺である。」

 

古田織部(おりべ)の作庭といわれている

枯山水の庭(国の名勝)に入りこみ

「利休遺愛の手水鉢」をながめ

さらに

「土を踏んで庭のすみへ行ってみると、

そこに五つばかりの小さな五輪塔がならんでいた。

(中略)

冬苔が雨をふくんでいかにも暗鬱な色をみせている。」

 

この「冬苔」という言葉ですが

手持ちの国語辞典には載っていません。

 

冬でも枯れない木や草を

冬木、冬草というように

冬でも緑の苔を冬苔と書いたのでしょうか。

 

この冬苔とは

五輪塔についた地衣類のことなのか

地面に生えているコケ植物なのか?

 

雨に濡れた路傍のギンゴケなどは

冬でも鮮やかな緑色なので

石に張り付いている地衣類の

ことかもしれませんね。

 

ちなみに私の国語辞典で

「苔(こけ)」は蘚苔類と地衣類

と説明されています。

 

街道をゆく5』へつづく(いずれ)

 

三が日を過ぎたと思ったら

もう鏡開きです。

無病息災を祈願していただきます。

 

街道をゆく4』司馬遼太郎

街道をゆく (4) (朝日文芸文庫)

 

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