モミジと苔

ベランダで愉しむ作り方と育て方

山苔(ヤマゴケ)の育て方

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ホソバオキナゴケ(細葉翁苔)

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アラハシラガゴケ(粗葉白髪苔)

【山苔とは】

山苔(ヤマゴケ)というのは

園芸店などで販売されるときの

名前で本当は

ホソバオキナゴケ(細葉翁苔)と

アラハシラガゴケ(粗葉白髪苔)

のことです。

 

どちらもシラガゴケ科のコケで

乾燥すると葉が白くなって

まるで白髪のようになります。

逆に過湿な状態だと

山苔の葉は濃い緑色になります。

 

こんもりとした形から

「まんじゅうごけ」とも呼ばれます。

 

ホソバオキナゴケ(写真上)は

その細葉という名前のとおり

葉先が細く真っすぐで揃っています。

日陰から半日陰の

乾燥気味の場所を好みます。

 

アラハシガラゴケ(写真下)は

ホソバオキナゴケに比べて

葉先が曲がり向きが揃っていないので

ふさふさした感じに見えます。

日陰から半日陰の

湿度の高い場所を好みます。

 

どちらも生長はとてもゆっくりで

杉の大木の根元などで

半球状に盛り上がるように生えます。

 

乾燥や寒さには強い苔ですが

蒸れには弱いという特徴があります。

 

こんもりとした形と独特の色合い

そしてその質感に人気があり

苔玉やミニ盆栽によく利用されます。

 

苔庭に使われることも多く

苔寺といわれる京都西芳寺の

苔庭の主要な苔のひとつでもあります。

 

 

【山苔の育て方】

 

苔園芸コツのコツ』を参考に

実際に数年間育てた方法です。

 

山苔はとてもデリケートな苔で

温度や湿度が安定した環境

に置くことがポイントです。

 

山苔は比較的乾燥に強いのですが

瑞々しい緑のままで山苔を育てるには

適度な空中湿度で安定した環境

に置く必要があります。

 

寒さにも強い山苔ですが

冷たい空っ風にあたると

苔の葉が傷みます。

 

屋外だと冬は休眠するので

冬の間も緑を愉しむには

室内などに置いて

防寒する必要があります。

 

山苔は環境があわないと

変色してしまいます。

環境が変化することにより

徐々に変色することもあります。

山苔が蒸れると

短期間で変色します。

 

山苔は蒸れて変色した場合は

回復しないようですが

環境の変化により

徐々に変色した場合には

次の春や秋の成長期には

緑色に回復するようです。

 

置き場所:

山苔は半日陰でも大丈夫ですが

温度変化の少ない

明るい日陰の方がよいです。

室内であれば

直射日光が直接あたらない

レースのカーテン越しの窓辺など

明るい日陰に置いて下さい。

 

また

強い風があたる場所も避けます。

室内ならエアコンの風が

直接当たらない場所にします。

 

できるだけ

気温や湿度の変化が少ない場所に

置いてあげるとよいです。

 

水やり:

山苔に直接水をかけるよりも

空気中の湿気が高い場所に

置いてあげることが重要です。

特に蒸れには弱いので

葉が濡れた状態で気温が上がると

苔が弱って変色してしまいます。

 

日中は蒸れをおこすので避けて

朝か夕方に水やりして下さい。

特にホソバオキナゴケは

過湿にならないよう気をつけます。

 

用土:

用土は栄養のない素材の用土

例えば

赤玉土を主体にして

砂やピートモスなどを

ブレンドした用土で大丈夫です。

山苔と用土を密着させることが

大事なポイントです。

 

肥料:

山苔に肥料は必要ありません。

肥料は苔にとっては有害なので

山苔には与えないで下さい。

 

苔テラリウム:

山苔は日当たりと温度湿度が

安定した環境に置いてあげれば

一年中緑のままで生長します。

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山苔の苔ボール

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苔テラリウム(ホソバオキナゴケ)

山苔の苔玉の育て方なら

ガラス容器などに

苔玉をすっぽりと入れた

苔玉の半テラリウムという

方法もあります。

 

写真のように苔ボールを

ガラス保存瓶に入れた

テラリウムなら

明るい日陰に置いて

数か月に一度の水やりだけで

いつもきれいな緑を愉しめます。

 

はじめて山苔を育てるのなら

苔玉(苔ボール)でも

鉢植え(苔鉢)でも

室内でのテラリウムをおすすめします。

 

ガラス瓶やプラスチックケースに入れて

簡易テラリウムで山苔を育てれば

失敗が少ないと思いますよ。

 

以下のページもご覧ください。

山苔の色(変色について)

苔(コケ)とは

 

参考書籍:

『手軽に楽しむ 苔園芸コツのコツ 苔玉・苔鉢盆栽・苔盆景・木付け・石付け・テラリウム・苔庭』

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