街道をゆく14・銭苔
『街道をゆく14』は南伊予・西土佐の道。
銭苔(ゼニゴケ)が登場します。
「敬作の露地」より
”「二宮敬作之墓」という
その横に銭苔(ぜにごけ)のあとが
まだらにこびりついている墓碑があった。”
二宮敬作(にのみや けいさく)は
江戸時代末期の代表的な洋学者です。
シーボルトの娘イネを養育しました。
ゼニゴケ(銭苔)は苔類(たいるい)に
属するコケ植物です。
日本庭園や園芸で使われる苔は
ほとんどが蘚類(せんるい)のコケです。
苔類のゼニゴケはその見栄えの悪さから
嫌われて駆除されることが多いのですが
これがなかなかしぶとくて除去しにくい
という特徴もあるコケ植物です。
苔(コケ)も登場します。
「お道を」より
「山からころがり落ちたトラック大の巨石が
無数に渓流のなかで苔むしており、
まわりの山壁のために
箱の底に入ったような観がある。」
司馬さんは
宇和島から土佐へ出るべく通ったはずの道を
たどってみました。
目黒川をさかのぼって二キロゆき
谷底に出たときの描写です。
ちなみに
「お道を、とは南伊予のことばで、
一路平安を祈る、という意味である。」
と司馬さんは書いていますが
「おみちように」(道中気をつけて)が
「おみちを」と聞こえたのかも。