苔とモミジと苔玉

ベランダ・室内で愉しむ作り方と育て方

街道をゆく8・蘚苔類

街道をゆく8』には、はじめて!

蘚苔類という言葉がでてきます。

 

蘚苔類(せんたいるい)とは

蘚類と苔類をあわせた言葉で

コケ植物(またはコケ類)のこと。

 

蘚苔類が登場するのは

「豊後・日田街道 梵音響流」。

 

司馬さん一行は由布院の宿から

阿蘇くじゅう国立公園のなかにある

長者原(ちょうじゃばる)へ。

 

九重(くじゅう)山のふもとに広がる

長者原には草原や灌木の斜面があり

湿原もあれば自然林もあるようです。

 

まずは苔(コケ)の登場。

 

「林の中は、地面は湿地で

(こけ)などでおおわれているため、

鉄道の枕木ほどの厚さの板を敷き、

わざわざ木道をつくっている。」

 

そして蘚苔類!の登場です。

 

「木道の両側の地面は、

スポンジのように

たっぷり水をふくんでいる。

その地面を蘚苔類がおおっていて、

絨緞のようにひろがっており、

ところどころに大岩が露出している。

水のない岩の上にまではえているが、

こういうたちについても

大分県の親切はゆきとどいていた。」

 

蘚苔類の説明が小さな立札に

「・・・かれらは、雨や露から、

ごくわずかな水分をとり、

その水に岩の成分をとかして、

自分たちの栄養にすることができるのです」

と書いてあったようです。

 

コケ植物には水分や養分を

吸収するための根はありません。

茎葉を支えるために根のような

仮根(かこん)があるだけです。

 

コケ植物は

水分と水にとけた微量の養分を

葉や茎から直接吸収して生長します。

 

そしてこの林は

「どの木も枝葉の茂りを

ほどよく遠慮しあっていて、

木洩れ日が十分地面の

とどくようになっている。」

と多くの苔が好む半日陰の

環境になっているようです。

 

 

もうひとつ苔が登場します。

種子島みち 鹿をなぐる人」

 

住吉という漁港から

少し山に入ったあたりにある

「熊野(よきの)焼」という古い窯あと

 

「すでに木や草のはえた山斜面に

かつての窯跡の基座が

苔まみれになって遺っていた。」

 

熊野焼窯跡は昭和50年に

西之表市の指定文化財

指定されたようです。

 

ネットで探した写真では

苔まみれの雰囲気は

残念ながらわかりませんね。

 

 

ちなみに『街道をゆく8』は

熊野・古座街道

豊後・日田街道

大和丹生川(西吉野)街道

種子島みち

となっています。

 

街道をゆく8』司馬遼太郎

街道をゆく 8 熊野・古座街道・種子島みちほか (朝日文庫)

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