草もの盆栽と苔(コケ)
草もの盆栽をご存じでしょうか?
園芸店で扱われている、いわゆる山野草ではなく
道端や庭の隅など、身近にあるありふれた野草を
小さな鉢に植えて楽しむものです。
草もの盆栽でも苔(コケ)は大事な脇役です。
鉢には、かならずといっていいほど
苔を張り付けます。
苔鉢を作ってから
苔に穴をあけて差し芽をすることもあります。
あるときは主役でもあります。
スナゴケやタマゴケの苔鉢は
苔だけで十分味わいがあり楽しめます。
また
苔玉(こけだま)は根洗いを応用したもの
といわれていますが
やはり根鉢のまわりの苔が
草ものの風情をひきたてますね。
身近な野草と苔で
草もの盆栽を楽しんでみてはいかがですか。
『草もの盆栽入門 四季の野草を鉢植えに』
著者:西山伊三郎 大正10年、鎌倉生まれ。盆栽に魅せられ「松籟園」を開く。 とくに草もの盆栽にいそしみ「鎌倉路野風致盆栽会」を主宰した。
この本に詳しく解説されています。
たとえば
春ならタンポポやツクシ・スギナ
夏は、オトギリソウ、ヘビイチゴ
秋ならリンドウ、シダ類、ノギク
そして冬は
冬枯れのヒメオトギリソウやリンドウ
などなど
野草の選び方や育て方から
用土や鉢の選び方、置き場所、施肥、水やり
四季の管理、飾り方、観賞法まで
草もの盆栽の作り方、楽しみかたについて
写真や図で詳しく説明されています。