モミジと苔

ベランダで愉しむ作り方と育て方

街道をゆく11・羊歯と楓

街道をゆく11』は肥前の諸街道です。

 

羊歯(シダ)と楓(カエデ)が登場します。

残念ながら今回は

苔(コケ)の記述はありませんでした。

 

まずはシダ。

 

「平戸 船首像」より

オランダ商館あとを訪れた司馬さん一行。

その近くにあるオランダ井戸の記述に

羊歯(シダ)がでてきます。

 

「一辺が約二メートルの四角い井戸だが、

みごとに保存されている。

のぞくと、光りのとどくかぎり、

ふちに青い羊歯(しだ)がはえている。」

 

青い羊歯とはなんでしょうね?

 

イワヒバ科のクラマゴケの葉は

見る角度によって青く見えるようですが

山林の地表に生えるので違いますね。

 

ちなみにクラマゴケは

苔に似ているので名前はコケですが

小型のシダ植物です。

 

シダの種類はわかりませんが

緑の葉を青いと書いたのかもしれませんね。

 

つぎにカエデ。

 

「平戸 尾根と窪地の屋敷町」より

吉田松陰が訪ねてきたという家で

「樹ぜんたいが煙ったように

芽を吹きだいしている」楓を見た

司馬さんらの会話。

 

”「楓は秋といいますけど、

春のほうがいいですね」”

 

紅葉(もみじ)といえばカエデをさすほどに

楓の紅葉はもちろんすばらしいのですが

春の芽ぶきや新緑もとてもいいものです。

 

園芸では切れ込みの深い葉のカエデを

モミジと呼んでいます。

どこにでもあるイロハモミジは

四季をとおして愉しむことができる

いい樹木だと思います。

 

 

今日は立秋ですね。

暦のうえでは秋のはじまりです。

夏の疲れが出やすい頃

ご自愛ください。

 

 

街道をゆく11』司馬遼太郎

蒙古塚・唐津

平戸

横瀬・長崎

街道をゆく (11) (朝日文庫)

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