苔とモミジと苔玉

ベランダ・室内で愉しむ作り方と育て方

街道をゆく6・沖縄の苔

街道をゆく6』は沖縄・先島への道。

苔(コケ)の記述が二か所あります。

 

ひとつめは

那覇糸満 沖縄について」より

 

司馬さんは

戦前の首里の旧王城が

いかに美しかったかについては

まったく知らないという。

 

司馬さんが読んだり聞いたりした

材料をよりどころとして

想像のなかで復元しようとした

首里の街の中に苔が登場します。

 

「私の想像の中の首里は、

石垣と石畳の町で、それを、

一つの樹で森のような

茂みをなす巨樹のむれが、

空からおおっている。

どの屋敷(御殿・殿内)も、

屋内まで石畳でかためている。

赤い瓦を

白い漆喰でとめた屋根の美しさは、

森と、苔むした石垣や石畳を

配しなければ生きて来ないものだが、

そういう大小の屋根のむれは、

木の下の坂道をのぼってゆくにつれて、

あちこちに見られる。」

 

石垣や石畳はやはり苔むしてこそ

趣がありますよね。

 

石畳の石と石の間に

苔が生えていたのであれば

それは自然に苔むしたのか

植えられて手入れされていたものなのか

植えられたのだとしたらどんな苔なのか

司馬さんが想像した石垣や石畳を

ちょっと見てみたい気がします。

 

ふたつめは

「石垣・竹富島 竹富島へ」から

 

首里王朝の役人だった

石垣島の石垣家屋敷の庭。

 

その庭は

枯山水(かれさんすい)だという。

 

司馬さんの解説によると

枯山水というのは

池もなく遣水(やりみず)もなしに

石組(いわぐみ)だけで

山水を表現する作庭形式だが、

滋賀県園城寺金堂

の庭園などを見ると、

平安期からこの思想はあったらしい。

しかし

完成したのはよく知られているように

室町期からで、

この様式が江戸期に

八重山諸島にまで及んでいた」

 

そして

石垣家の枯山水については

「材料がちがうために、

全体としての趣は、

本土の枯山水とちがっている。

石は主としてサンゴ礁の石だし、

土地柄、苔(こけ)がつきにくく、

また使われている樹木も

陽気な亜熱帯種のものが多い。」

 

沖縄にはコケ植物、地衣類ともに

たくさん生息しているはずですが

「土地柄、苔がつきにくく」とは

いったいどういう意味なのでしょう?

 

庭石としてサンゴ礁を使っているので

コケ植物や地衣類が生育しにくい

ということかもしれませんが

よくかわりません。

 

 

今週は寒い日が続いて

みぞれが降った日もありました。

来週は暖かくなりそうです。

 

街道をゆく6』司馬遼太郎

街道をゆく 6 沖縄・先島への道 (朝日文庫)

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